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細身丸行灯
行灯は最も日本的な灯火である。紙で覆われた火袋を通して柔らかに広がる油火は、まさに日本情緒そのものの美しさであろう。
室町時代に始まるといわれる行灯は、もともとは手に持って移動する時の道具として 使われていて、行灯という文字もそこから来ている。
江戸期に入り、移動用にろうそくを使った提灯が普及するに従い、行灯は一箇所に置いて周りを照らす用途に限定されていく。
家の中で使われた行灯は、その形態や素材の違いがいろいろあり、関東地方では、角行灯が多く、関西では柔らか味のある円筒形の「遠州行灯」や球形の行灯が好まれた。
今回ご紹介した行灯は遠州行灯の一種で通常の遠州行灯よりも、大分細身(高さ86cm、径20cm)で、丸形のろうそくを用いる朱漆の行灯であり、円筒形の火袋が回転し、明るさの調節が出来る仕組みになっている。
又、朱色の行灯は一般的には来客用として使われたようである。 |
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外観 |

内部 |
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